筋肉とトレーニングの話【基本編 筋トレ初心者さん向け 】
昨今の日本はトレーニングブームですね!
いろいろな場所でジムがつくられ、老若男女問わずトレーニー(トレーニングしている人)も増えてきましたね!
柔道整復師&鍼灸師の私も毎日筋トレをしています。
この記事ではそんなトレーニー達や運動部の学生の悩みに答えていきます!
・そもそも筋肉って何?
・筋トレに決まりはあるの?
・どうやって筋トレすればいい?
など、トレーニングについて悩んでいる方必見です!!(^_-)-☆
目次
- ○ そもそも筋肉とは
- ・分類① 平滑筋、心筋、骨格筋
- ・分類② 赤筋と白筋
- ・分類③ インナーマッスル、アウターマッスル
- ・分類④ 主動筋と拮抗筋
- ○ トレーニングのやり方【基本編】
- ・目的別RM設定~トレーニング前に必ず設定~
- ・トレーニングの8原則(個人的に+1原則)
- ・トレーニングの方法(基本編)
- ○ 最後に
そもそも筋肉とは
そもそも「筋肉」とは何なのでしょうか?
読者の皆さんは「筋肉」について説明できますか?
筋肉のトレーニングについて解説する前に、まずは「筋肉」についてしっかりと知りましょう!!
「筋肉」とはいわば、収縮能力に特化した細胞が集まって出来た組織、です!
この細胞は一つ一つが細長いので、「筋繊維」とも呼ばれます。
この筋繊維の中にはさらに、「筋原線維」があり、その配列やどう動かすのかなどによって筋肉は分類されます。
さらに、筋肉の機能や役割からも分類されています。
筋肉は様々分類されてますので、しっかりと解説していきます!!
分類① 平滑筋、心筋、骨格筋
大きな分類として、平滑筋、心筋、骨格筋があります。
【平滑筋】
・消化管や血管などの管や、膀胱、子宮などの袋状の内臓の壁を作る。
・自律神経によって勝手に動き、自分の意志で動かすことはできない。筋繊維は紡錘形。
・筋原線維は不規則に配列され、ゆっくり持続的に収縮する。
【心筋】
・心臓を作る筋肉
・筋原線維が規則的に配列され、横紋が見られる
・自律神経によって勝手に動き、自分の意志で動かすことはできない
【骨格筋】
・自分の意志で動かすことができる
・筋繊維は円柱形
・筋原線維が規則的に配列され、横紋が見られる
・関節を動かす
・体を動かさなくても一定の緊張状態を保ち、姿勢保持をする
・エネルギーを消費して熱を生む
世間一般で言う筋肉とは、おそらく「骨格筋」のことですね!
分類② 赤筋と白筋
骨格筋はさらに赤筋と白筋に分類されます。
一つの筋肉の中には赤筋繊維と白筋繊維が混在していて、その割合が筋肉によって異なります。
赤筋繊維が多いものを「赤筋」、白筋繊維が多いものを「白筋」といいます。
赤筋繊維と白筋繊維の違いを簡単にまとめると、
【赤筋繊維】
・ミオグロビンが豊富で色が赤い
・太さが細く、疲労しにくい
・収縮力が小さく、収縮速度も遅い(遅筋)
・有酸素でエネルギーを生み出すミトコンドリアが豊富
【白筋繊維】
・ミオグロビンが少なく色が白い
・太さが太く、疲労しやすい
・収縮力が大きく、収縮速度も速い(速筋)
・無酸素でエネルギーを生む機能がある
筋繊維の色の違いは「ミオグロビン」の量の違いです。
ミオグロビンは赤血球のヘモグロビンと同様に酸素と結合するタンパク質です。骨格筋や心筋に存在し、酸素を貯蔵し、必要な時に酸素を供給します。
実際には赤筋繊維と白筋繊維の中間の繊維もあります。
トレーニングの内容によって、同じ筋肉でも赤筋繊維と白筋繊維の割合が変わります。
長距離選手の太ももと短距離選手の太ももは中身が違うわけです!
分類③ インナーマッスル、アウターマッスル
こちらも骨格筋の分類です。
インナー、アウターという分類は、筋肉の存在する「位置」だけでなく、「機能」も違います。
ここで問題です。
通称シックスパックとばれる腹筋(腹直筋)はインナーマッスルですか?アウターマッスルですか?
答えは アウターマッスル です
体幹部の筋肉=インナーマッスルではありませんからね!
【インナーマッスル】
・服で言うインナーと同じで、深層にある筋肉(基本さわれない)
・関節の安定、姿勢の保持、運動の協調性などがメイン
・関節、姿勢の保持には持続性が必要なため、赤筋繊維が多い
【アウターマッスル】
・服で言うアウターと同じで、表層にある筋肉(基本さわれる)
・関節を動かす、力を発揮することなどがメイン
・力を発揮するには瞬発力が必要なため、白筋繊維が多い
なにか動作を行う際には、アウターマッスルが力を発揮します。
同時にインナーマッスルも働き、関節が無理な動きをしないように制限したり、他の関節を保持して力が伝わりやすくしてくれます。
どちらも共同して運動しています。
分類④ 主動筋と拮抗筋
こちらも骨格筋の分類です。
【主動筋】
関節を動かすメインの筋肉
例)肘を曲げる際の力こぶの筋肉(上腕二頭筋)
【拮抗筋】
主動筋と拮抗して働く筋肉
例)肘を曲げる際の二の腕の筋肉(上腕三頭筋)
日常生活の中では主動筋が働くとき拮抗筋は緩みますが、特に、負荷をかけるトレーニングなどでは関節を安定化させるために共同して働きます。
トレーニングのやり方【基本編】
筋肉についてはわかりましたか?
ここまで読んでくだされば、トレーニングは白筋繊維と赤筋繊維のどちらをターゲットとするかによって、トレーニング内容が変わることは何となくわかると思います。
実際のトレーニングのお話をする前に、ここで最も大切なお話をします。これからトレーニングを始める方は必ず覚えてください!!
〇【RM(アールエム)】のお話
RMとは、Repetition Maximum (レペティション・マキシマム)の略で、直訳すると「反復可能な最大の重量」です。
例えば
1RMは、「1回しか上げられない重量」
10RMは「10回しか上げられない重量で、11回は無理。」ということです。
何となく「腕立て伏せ一日10回3セット毎日やろうかなあ」という気持ちで取り組むと、正直時間がもったいないです。
RMはリハビリの現場でも使われますので、覚えておいて損はありませんよ('ω')
では実際に、
①筋力アップ
②筋肥大
③筋持久力アップ
についてRM別に見ていきましょう!
目的別RM設定~トレーニング前に必ず設定~
上の画像を見てください。
RMの設定はこれからトレーニングを始める前に必ず設定してください。
1987年に発表されたFleck and Kraemer による負荷強度とトレーニング効果を示す指標は、何度か改変を繰り返しながらも今でも伝統的に活用されています。
筋力は白筋繊維+赤筋繊維
筋肥大は主に白筋繊維
筋持久力は主に赤筋繊維です。
最初にお話しした筋肉の話と、RMが分かれば、自分が目的とする重量は大体わかりましたね?
それでは具体的な方法がいくつかありますので、次の項からはその方法について解説します!(^_-)-☆
トレーニングの8原則(個人的に+1原則)
最後の原則は私の意見ですが、目標は必ず決めましょう!
タイムでもいいですし、ウエストの長さでもいいです。
身体を動かすのは筋肉ではなく、「脳」「意識」なのですから!(^_-)-☆
トレーニングの方法(基本編)
①ウォーミングアップ
これからトレーニングをする個所を中心に全身を動かしてアップしましょう。
いっそのことラジオ体操をやるのも良いです。
②協調性訓練
慣れない動きは筋肉や関節を痛める原因になります。
自分の目で見て、ゆっくりと動作を確認しましょう!
これもアップにもなりますし、筋肉に“効かせる”のに必要です。
③等尺性運動
関節が一定の角度を保つように6秒ほどキープします。
例)上体起こし(腹筋)を45°でキープ
キープする時間を延ばして負荷を調整して、目的のRMにします。
④漸増運動
軽い運動から徐々に負荷を上げる
例)
10RMの50%の重量で10回
10RMの75%の重量で10回
10RMの100%の重量で10回
⑤ドロップダウン
漸増運動の逆で、徐々に重量を下げていく。
例)
10RMの100%で10回
10RMの75%で限界まで
10RMの50%で限界まで
⑥目的とする筋肉を使うトレーニングを先に行う
⑦主動筋と拮抗筋はまんべんなく鍛えましょう
⑧筋肉の収縮はなるべく早く、ポジショニングはゆっくり
例)腕立て伏せは顎が床につくくらいまで3秒かけてゆっくり下げて、1秒かけて床を両手で押す。
ポジショニングの際は、目的の筋肉がストレッチされていることを意識する。
最後に
いかがでしたか?
今回はこれからトレーニングを始めようと思っている人の基礎的な部分についてお話ししました。
今回のお話は超基本です!
まとめると、
①トレーニングの原則を守る
②目的とする筋肉の性質からRMを考える
です!
ストレッチや応用的な一歩踏み込んだトレーニングの内容はまた別の機会に書きます!
トレーニングに決まった頻度はありません。週に何回やっても良いのです。
ただ、疲労が蓄積し、自分が思ってもいない怪我をしないように気を付けましょう!
それでは~(^_-)-☆