桃太郎と東洋医学
皆さんは「桃太郎」を知っていますか?
幼いころに聞くとワクワクハラハラするような内容ですよね!!
ですが、ふと思うところは、
・なぜ桃なのか?リンゴじゃダメなのか?
・なぜ仲間は猿・キジ・犬なのか?人間の方が強くない?
・なぜきび団子なのか?
といったところです。
これについて鍼灸師の立場から解説していきたいと思います!
この記事を読んで、東洋医学や東洋思想に「?」な方に少しでも東洋医学・思想を身近に感じていただきたいと思います!(^_-)-☆
目次
桃太郎
「桃太郎」のストーリーは、桃から生まれた桃太郎がきび団子を手に鬼ヶ島を目指し、猿・キジ・犬を仲間にして鬼退治をする、というものです。
桃太郎が桃から生まれた説や、桃を食べて若返ったおじいさんとおばあさんが桃太郎を生んだ説などありますが、この記事では大して重要ではありませんので、割愛いたします。
では、東洋思想・医学と桃太郎にはどのような関係があるのでしょうか?
東洋思想
五行学説
東洋思想の一つに「五行学説」があります。
この世の事象を木・火・土・金・水の五つの属性に分類した考え方です。ドラ〇エなどの某RPGゲームや、某カードゲームが好きな人はすんなり覚えられそうです(^_-)-☆
五行色体表
先ほど五行学説で「この世の事象は五つの属性に分類される」とお話しました。
すなわち、人体、方角、食べ物、季節、色など、あらゆるものが五つの属性に分類できます。
例えば、色を五行で見てみると、
【五色】
木:青
火:赤
土:黄
金:白
水:黒
では、「赤い財布は散財する」とよく言いますがこれについて考えてみましょう!
「赤」は五行で言うと「火」ですね!
「財」は五行で言うと何だと思いますか?「財」は「お金」ですので、五行で言うと「金」となります。
先ほどの五行の「相克関係」を思い出しましょう。
「火は金属を溶かす」ので、言い換えれば「赤はお金を無くす」とも言えます。
このことから、「赤い財布は散財する」と言われるようになりました。
何となくわかってきましたか?('ω')ノ
ポイントは、相生・相克関係と、物事が五行に分けられている、ということです。
桃太郎と東洋思想
方角と干支
では、前置きはこの辺にしておきまして、いよいよ桃太郎のお話です。
上の図をご覧ください。北東は「鬼門」と呼ばれ、鬼がやってくる方角とされています。
桃太郎の敵である「鬼」は、「丑(牛)の角」と「寅(虎)のパンツ」の見た目を持ち、丑寅の方角、すなわち鬼門にいます。
これに時間を加えて「丑三つ時」である午前の二時半から三時の間というのも、鬼門と関係があります。
これに対抗するのが反対側に位置する「申(猿)」「酉(鳥)」「戌(犬)」なのです。
「いやいや、羊はどこ行ったんだよ」と思いますよね?
これには諸説ありますが、羊の角は鬼を連想させるから飛ばした、桃太郎の物語が生まれた時代、日本に羊はいなかったため飛ばした、とされており、“一つずれた”とも言われています。
また、次の項で話しますが、羊では属性的に弱いのかもしれません(次項参照)。
桃太郎と五行
ここで話を「五行」に戻します。五行はあらゆる事象が五つの属性に分類されます。
桃太郎の話と関連があるのは、「五方」と「五果」、「五穀」です。
【五方】
木:東
火:南
土:中央
金:西
水:北
【五果】
木:李
火:杏
土:棗
金:桃
水:栗
【五穀】
木:麦
火:黍(もちきび)
土:稷(たかきび)
金:稲
水:豆
「西」は五行の五方で言うと「金」です。ここにいる干支は「申(猿)」「酉(鳥)」「戌(犬)」。「桃」も五行の五果で言うと「金」です。いずれも鬼に対抗し得る五行です。
さらに、桃太郎の話に欠かせないのがきび団子です。きび団子の「きび」は「たかきび」のことで、五行の五穀で言うと「土」です。
五行学説の相生関係では、土は金の力を強めますので、桃太郎・猿・キジ・犬を強くするわけなのです!
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は東洋思想の立場から桃太郎を見てみました。もちろん、様々な説があり、これはあくまで一説であり、私の偏見です。
何度も言いますが、五行学説はあらゆる事象を五つの属性に分類できます。すなわち、人の身体でさえも五行に分類できます。その人の肌の色合い、声質、症状のある場所、その時の季節、感情等々を包括的に考え、鍼灸師は治療に当たります。
患者さんの身体が「火」の力が強ければ、あなたならどうしますか?
・水で抑える?
・火自体を消す?
・その他
鍼灸の世界は奥が深いですが、その分考えるのが楽しくなります!
今回はその世界のごくごく一部です。
鍼灸を深く知れば、物事を違った見方で多角的に見ることができるだけでなく、病名がつかないよ症状に対してもアプローチができます。
何をやってもうまくいかない症状や、ストレスや感情の起伏、様々な悩みに東洋医学でのアプローチもありますので、気になる方は一度ご連絡ください(^_-)-☆