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膝が痛くて腫れもある!?半月板損傷を疑おう!半月板損傷について解説!

膝 半月板 イラスト

膝関節にある軟骨である半月板や、靭帯はスポーツ時の怪我ではかなり頻度が高いです。

今回のテーマである半月板は機能的にもかなり大事な役割をしており、半月板を損傷すると、膝関節の機能に大きな障害を残すことになります。

そこでこの記事では、
・そもそも半月板とは?
・痛める原因
・症状
・検査方法や処置の仕方
などについて解説していきます!(^_-)-☆

目次

半月板とは?

膝関節

半月板は大腿骨(太ももの骨)と、脛骨(けいこつ)(脛(スネ)の骨)の間にある繊維性の軟骨です。半月板は脛骨の方に付着しています。

内側の半月板はアルファベットの「C」の形、外側の半月板は「O」の形をしています。内側の半月板は外側の半月板よりも広い湾曲を持っています。子供ではまれに円盤状の半月板もあります。

内側の半月板は外縁が脛骨にくっついていますが、外側の半月板は前と後ろにのみ脛骨に付きます。内側の半月板の方が遊びが少なく、特定の動作においては外側の半月板は内側の半月板よりおよそ2倍ほど可動するとされています。

半月板は内側も外側も辺縁の部分は血管が分布していますが、膝関節の中心部分など、それ以外の部分は血管が分布していないため、滑液から栄養されています。これは衝撃を吸収する部分に血管があると何かと不便があるからだと思いますが、この血管の有無は、損傷の治り方や手術方法に影響します。

また、内側の半月板は関節包(関節を覆っている袋)と、内側側副靭帯(膝の内側の靭帯)に強固に連結しています。対して外側の半月板は関節包と粗くついています。

元々大腿骨と脛骨の凸(でこ)と凹(ぼこ)はぴったりと一致しておらず、骨同士はかなり不安定な関節です。大腿骨の凸も、脛骨の凹も左右非対称的ですので、そこを半月板が補っています。ドアのストッパーのように、半月板は膝の中心に向かって少しずつ薄くなる構造をしていて、関節の適合性をアップしています。さらに半月板は不安定な関節に適合性を与えるだけでなく、衝撃を吸収・分散し滑液が関節内に拡散するのを助けます。

よく膝関節を痛めた際に「太ももの筋肉を鍛えましょう」と言われます。これは元々関節自体が不安定で、半月板はあくまで“関節として最低限の安定をもたらしている”ためです。つまり、膝の強固な安定性は靭帯と筋肉がほとんど支えているのです。靭帯は鍛えようがありませんから、筋肉を鍛えましょうとなるわけです。逆を言うと、「半月板」「太ももの筋肉」「膝を支える靭帯」のいずれか一つの機能が落ちれば、残り二つに負担がかかってしまうということです。

半月板損傷の起こり方

サッカー 怪我

半月板は、年代別に痛め方が異なります。

【小児期】

小児期で痛めた覚えも無いのに膝を痛がる場合には、円盤状半月という半月板の形で損傷している可能性もあります。この場合は手術となります。ですが、小児期で膝の痛みを訴えた場合には、半月板損傷やいわゆる成長痛よりも、「骨肉腫」を真っ先に疑わなければなりません。運動時の痛みに加え、昼夜関係なく安静時の痛みを訴えた場合にはすぐに医療機関への受診をすすめます。

【若年者】


者の半月板損傷はスポーツ活動、特にサッカーなどの脚を使うコンタクトスポーツに多く見られます。屈伸(特に膝を曲げた際)に左右の回旋が加わると痛めます。内側と外側では内側の半月板の方が痛める割合が多いです。また、半月板を前方・中央・後方の三部位に分けると、中央~後方にかけて炒める割合が多いです。また、内側の半月板は関節包(関節を覆っている袋)と、内側側副靭帯(膝の内側の靭帯)に強固に連結しているので、他の部分も合併して痛める可能性が高いです。

【中高年】

中高年では、立ち上がりの際や無理な動作などで膝を捻り損傷することが多いです。また、基礎疾患として変形性膝関節症を患っていることも多く、注意が必要です。変形性膝関節症は加齢により関節の軟骨の摩耗やすり減りが起こり、関節の変形をきたす慢性で進行性の関節疾患です。およそ85%がO脚変形をおこし、膝の内側の半月板に負担がかかります。初期のうちは保存療法で対応できますが、進行すると手術が必要となります。変形性膝関節症については過去の記事で詳しく解説しておりますので、そちらを参考にしてください。

半月板損傷の症状

問診 膝 女性

痛めた直後には、大腿骨と脛骨の間に痛みを感じます。痛めた場所が半月板の辺縁であれば、関節内に出血を起こす関節血症を起こします。ただ、関節血症を起こすような場合は半月板辺縁だけでなく、そこに癒着している関節包や靭帯を損傷している場合も多く、半月板のみの損傷ではそこまで大量の出血を起こすことはありません。膝の中にある前十字靭帯の断裂を起こすと大量の出血を伴います。

一般的に多く見られる症状は、荷重時や、階段昇降時、膝関節を深く曲げた際などに痛みや引っ掛かり感、コクッというクリックを自覚します。関節の中に関節液が溜まり、「関節水腫」を起こすと、なんだか膝に力が入らない感じや、違和感を感じることがあります。関節水腫は半月板損傷に限った症状ではありませんので、関節水腫を起こしている原因は何かが大切です。

半月板の辺縁部を縦に断裂した場合は「バケツの柄状断裂」とも呼ばれます。半月板辺縁がバケツの取っ手のようになり、半月板が関節部で挟み込みを起こしてまい、膝が曲がったまま動かなくなる「ロッキング」を起こすことがあります。

検査方法

太もも 膝 検査

➀画像検査
X線やMRIによる検査方法が一般的ですが、MRI検査の方が確実です。

➁関節鏡検査
関節鏡で検査を行えば、半月板の状態をほぼ100%把握できますが、その際は通常手術を前提として行われます。検査=手術ということです。

③徒手検査
大腿四頭筋の萎縮や、大腿骨と脛骨の間に押しての痛みを確認します。また、膝の過度の屈伸を行うと、損傷個所に痛みを訴えます。また、半月板損傷特有の痛みや異常音を誘発する検査法として有名なものにMcMurray(マクマレー)テストや圧迫Apley(アプレー)テストがあります。実際にはそれぞれの検査法単独では陽性率が低いため、複数の検査法を組み合わせて行います。

応急処置「RICE処置」

RICE処置 イラスト

【RICE処置】

R :Rest (安静)
I :Ice (冷却)
C :Compression (圧迫)
E :Elevation (挙上)

Rest (安静):受傷個所を安静に保ち、動かすことによる悪化を防ぎます。

Ice (冷却):冷却することで、受傷個所の血液循環を下げ、内出血や腫れを防ぎます。また、冷やすことで痛み自体も和らぎます。

Compression(圧迫):受傷個所を圧迫し、内出血や腫れを防ぎます。

Elevation(挙上):心臓より高い位置に受傷個所を挙上し、血液循環を抑え、内出血や腫れを防ぎます。


【手順】

①安静にする(Rest)、受傷部位を挙上する(Elevation)

②アイスパックを作る(氷嚢でもOK)
ビニール袋の中に、なるべく製氷された氷を半分ほど入れ、凹凸がないように平らにします。
袋の口から袋の中の空気を吸いだしながら、袋の口を縛って完成です。

氷が用意できなかったら、熱さまシートでも良いです。

保冷材は形が受傷部位に当たってむしろ痛くなる可能性があります。


③アイスパックを受傷個所に当てる(Ice)

④圧迫を加えながらアイスパックを固定する(Compression)
包帯が無ければ、タオルやラップなどでも構いません。


専門家に診てもらうまで、このRICE処置をし続けてください!

処置の方法

膝 包帯

急性の痛みの場合は応急処置でRICE処置を行いましょう。また、松葉づえで非荷重を推奨いたします。

検査の後、保存療法で問題なければ物理療法や運動療法を行い、膝関節の機能改善を図ります。しかし、何度もロッキングを繰り返すものや、小児期の円盤状半月、前十字靭帯損傷などを伴う場合には手術をお勧めします。損傷の仕方や程度、場所、年齢によって関節鏡下の「縫合」や「部分切除」を行うのが一般的です。

最後に

松葉づえ 理学療法士

いかがでしたでしょうか?

半月板の重要性や、痛めてしまった際の症状などについてお分かりになりましたか?

半月板損傷に限らず、どんな怪我についても言えることですが、痛めてしまった際に、「少し休めば落ち着くだろう」という自己判断はとても危険です。特に膝関節は体重や日常生活動作で負担がかかります。放置しておくと初めの状態からどんどんひどくなっていきます。

「何か変だな?」「痛い」と感じたら、すぐにお近くの接骨院や整形外科にご相談ください!

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