正しいストレッチの方法と効果【多くの人が間違った解釈をしている!?】
コロナウイルス渦における新しい生活様式で、外出自粛やテレワークなどで身体が凝り固まっている方が増えています。最近感じる身体のだるさも季節のせいではなく、身体の柔軟性の低下が原因かもしれませんよ?
そこでこの記事では
・ストレッチとは?
・ストレッチの種類
・ストレッチの効果
・ストレッチの注意点
などについて解説していきます!
ストレッチについて知らない方が多いので、これを機にストレッチの基礎を知りましょう(^_-)-☆
ちなみに私は中学生時代、長座体前屈で背中が壁に付かず「測定不能」と言われた経験がありますが、今では適度な柔軟性が付きました!
目次
- ○ ストレッチとは?
- ○ ストレッチの種類と効果
- ・静的ストレッチ(スタティックストレッチ)
- ・動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)
- ○ ストレッチの注意点
- ○ 人間の反射を使った筋肉ストレッチの紹介
- ○ 最後に
ストレッチとは?
ストレッチでは“筋肉を伸ばすもの”と思われがちですが、実際には異なります。ストレッチで伸ばされているのは筋肉だけではなく、筋肉を包んでいる結合組織性の筋膜や腱、神経・血管、皮膚、関節周囲の組織もストレッチされています。つまり、“身体が硬い”=“筋肉が硬い”ということではありません。筋肉の硬さが身体の柔軟性に影響することはもちろんなのですが、必ずしも筋肉だけが身体の硬さの原因ではないということを知っておきましょう!
また、筋肉は「収縮」と「弛緩」を繰り返す組織です。ストレッチで伸ばされる筋肉は、伸ばされることで血液の循環が改善し、収縮と弛緩の機能が改善するのです。決して伸び切ったゴムのような状態に筋肉がなるわけではありません。
同じ姿勢を長時間保ったり、運動不足の状態では、筋肉は収縮と弛緩を行わないため、筋肉が硬くなり、硬結(こり)ができます。関節周囲の組織も血行不良が起きれば、関節を包む袋(関節包)が硬くなり、関節の可動域を損ねます。ストレッチの主な効果は、一言で言うと「血流の改善」です。それによる恩恵として、むくみが取れたり、筋肉の収縮性や柔軟性が改善したり、関節の可動域が改善したりします。
・関連記事:むくみが改善しないなら、危険な症状かも!?むくみの原因と注意点
ストレッチの種類と効果
※ストレッチは大きく2つに分類されます。
静的ストレッチ(スタティックストレッチ)と動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)です。
静的ストレッチ(スタティックストレッチ)
静的ストレッチは、世間一般で言うストレッチと同じです。ゆっくり息を吐きながら10秒以上伸ばすようなストレッチ法です。
静的ストレッチは組織を持続的にストレッチさせることで、関節周囲の組織や筋肉を伸ばし、局所的に血液循環を改善させます。いわゆる“身体の柔らかさ”をつけるならこちらです。
後述する動的ストレッチと比べて、静的ストレッチでは体温はあまり高まらないので、静的ストレッチは怪我の再発防止や、クールダウンとしての意味合いの方が最近は高まっています。(運動前の動的ストレッチはパフォーマンスが低下するという論文もあります。)
寝る前のストレッチはリラックスした状態で高まる副交感神経という自律神経が優位になりますので、就寝前にもおすすめです。
※筋肉の緊張は同じ姿勢でいること以外にも、ストレスなどによる自律神経の乱れによっても起こります。自律神経のうち“交感神経”と呼ばれる神経は身体を活動状態・緊張状態にし、筋緊張を高めます。ストレスで肩こりがひどくなるというのもこれが関係しています。身体の柔軟性を高めるためには自律神経の乱れを整えることも大切になります。音楽や香り、ベッドの上など、できるだけリラックスした空間でストレッチを行った方が効果的なのもこのためです。
・関連記事:その不調、自律神経の乱れが原因かもしれません【解説】
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動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)
動的ストレッチは全身を大きく動かし、動きの中で短い時間のストレッチを行うストレッチ方法です。
動的ストレッチは関節を大きく動かすことで、全身の血液循環が改善し、筋肉や体温を温める効果も高いです。そのため動的ストレッチは運動前のウォーミングアップに行うとパフォーマンスの向上が期待できますし、早朝時のストレッチに適しています。
動的ストレッチの具体的な例は皆さんご存じ「ラジオ体操」です。ラジオ体操を全身しっかりと各位関節の最大可動域で行えば、それだけで十分量の動的ストレッチ、ウォーミングアップとなります。だまされたと思って、“本気で”ラジオ体操をしてみてください(^_-)-☆
ストレッチの注意点
※ストレッチをする際には、必ず携帯の画像検索などで伸ばしたい部分の筋肉を目で見て確認し、それを意識することで効果がさらに高まります。
※ストレッチの原則として、強い痛みを伴うストレッチは逆効果です。痛みが伴えば一時的に血液循環は改善しますが、強い痛みを伴えば周囲の組織は硬くなります(屈曲反射)。ストレッチは一度の効果よりも、継続することの方が効果が高いです。柔軟性が欲しい方は焦らず、時間をかけてストレッチを行いましょう。
※軽いストレッチをしたにも関わらず、関節や筋肉に痛みが出てしまう場合は、組織を痛めている可能性があります。その際はお近くの接骨院か整形外科への受診をお勧めします。
※静的ストレッチは就寝前や湯船、運動後のクールダウンが効果的です。対して動的ストレッチは活動前や運動前のウォーミングアップに効果的です。
※関節部や筋肉は“適度な緊張”を持ち、身体は硬すぎず柔らかすぎずが理想的です。
※ストレッチの効果を最大限に発揮するためには、伸ばすだけではなく、血液循環の改善に重きを置く方が効果的です。深部体温の上昇には約40度のぬるめの湯船に15分~20分浸かることが効果的とされていますので、その間にストレッチを行うことも良いでしょう。
人間の反射を使った筋肉ストレッチの紹介
※反射を利用した筋肉の弛緩法
人間は筋肉を使って関節を動かす際に、それと逆の作用を持つ筋肉(拮抗筋)は弛緩する作用を持ちます。これを「相反抑制/拮抗抑制」と呼びます。例えば、二の腕の筋肉は肘を伸ばす作用があるため、力こぶの筋肉を使って肘を曲げる際、二の腕の筋肉は緩みます。
これをストレッチに応用すると、
①伸ばしたい筋肉の動きと逆の作用を持つ筋肉を使う(この際、なるべく筋力を使うように抵抗を加えると〇)
②伸ばしたい筋肉のストレッチを行う
ふくらはぎの筋肉のストレッチを例にしてみましょう。ふくらはぎの筋肉の作用は、主に足首を下に下げます(底屈)。拮抗抑制を利用したストレッチの手順では、
①全力で足首を上にあげる
②ふくらはぎ(アキレス腱)のストレッチ
を行うと効果的です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
ストレッチはできる限り毎日継続して行わなければ効果がありません。毎日ほんの少しでもいいので、生活の中に取り入れると、体に感じる不調も改善するかもしれませんよ!