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腱鞘炎とばね指の違いとは?実は同じもの?処置の仕方についても解説!

腱鞘炎で悩む女性

皆さんは腱鞘炎になったことはありますか?
たくさん文字を書いたりするなど、指を使いすぎてしまった際に経験をしたことがあるかと思います。

この記事では手で起きてしまう炎症疾患についての概要と、その処置の仕方について解説していきます。
手や指の痛みでお悩みの方は読んでおいて損はありませんよ(^_-)-☆

目次

腱鞘炎

腱鞘炎 

「腱鞘」とは、文字通り腱の鞘(さや)です。鞘(さや))は刀を保護するためのものですが、腱鞘も同様に腱を保護するためのです。また、腱鞘には腱の動きをスムーズにするための滑液があり、腱が動く際の滑りを良くしています。(ただし、アキレス腱には腱鞘がありません)

腱鞘は、手首や足首など、良く動かす部分にある比較的長い腱に多く見られます。
そのため、腱鞘炎を起こす場所といえば、手首が多くなるわけです。

【原因】

腱鞘炎の原因は手首や指の使い過ぎによる腱自体の肥厚が主な原因とされていますが、閉経や妊娠などのホルモンバランスの乱れが原因で起こることもあります。そのため、腱鞘炎は女性に多く見られます。後者に関しては、なぜホルモンバランスの乱れが腱鞘炎を引き起こすのか、未だ明らかにはなっておりません。その他にも細菌感染や結核、関節リウマチが原因となることもあります。

【処置の仕方】

腱鞘炎を起こした場合には、安静とアイシング、並びにサポーターによる保護やテーピングが必要になります。どこの腱鞘炎を起こしているのかにもよりますが、急性の指や手関節の腱鞘炎であれば、1~2週間の安静・固定を保持できればある程度は落ち着きます。ですが、仕事や家事で「どうしても手や指は使わないといけない」場合には、なかなか治りづらいです。特に今のご時世、手指のこまめな消毒が必要不可欠なため、こまめにサポーターや固定を外さねばならず、「安静・固定」が困難といった事情もあります。そのため、炎症を起こしている局所に痛みが出る度にステロイドの注射をして、炎症を抑える方法を取る方も多いです。しかし、それでも原因となる負荷を減らさない限り、症状が長引き、悪化してしまう方も少なくありません。

次第に腱自体の肥厚や腱鞘内の滑膜の肥厚が進んでしまい、日常生活に支障をきたすようになると手術となってしまいます。腱鞘炎の手術は通常局所麻酔で日帰りが一般的ですが、できれば手術はしたくないものですね。妊娠周産期によるホルモンバランスの乱れで起きる腱鞘炎は、ホルモンバランスが整えば次第に症状は緩解していきます。


de Quervain(ド・ケルヴァン)病

アイヒホッフテスト

世間一般に「腱鞘炎」といえば、おそらくこのde Quervain(ド・ケルヴァン)病です。de Quervain(ド・ケルヴァン)病は20代と50代の女性に多く発生します。一般的に腱鞘炎は利き手に多く見られますが、de Quervain(ド・ケルヴァン)病の場合、利き手に起きるとは限りません。また、時に両側に起きることもあります。

【原因】

de Quervain(ド・ケルヴァン)病は第1指の付け根、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の狭窄性腱鞘炎です。簡単に言うと、手の親指の付け根にある2本の筋肉の腱が、同じ1つの腱鞘を通るために、その部分が炎症を起こしやすく、手の使い過ぎやホルモンバランスの乱れが原因となって起こります。
2つの腱が1つの腱鞘を通る際に、腱鞘のトンネル内ににはいわゆる中央分離帯のような壁があり、これも狭窄性の腱鞘炎を起こしやすい要因とも言えます。

【症状】

症状は手関節の親指側に、腫れと圧痛(そこを押しての痛み)、熱感、しこり(硬結)が感じられます。特に親指や手首を動かしての痛みが主な症状です。

検査法にはEichhoff(アイヒホッフテスト)があります。Eichhoff(アイヒホッフテスト)は患者さん自身でできる検査法なので、覚えておいて損はありませんよ!
Eichhoff(アイヒホッフテスト)は、上の写真のように親指を他の4本の指で握り込み、小指側に倒した際に、手関節の親指側に痛みが誘発されます。

【処置の仕方】

急性期で痛みの強い場合には、親指から前腕の中ほどまでの固定をし、1~2週間の安静を保ちます。熱感を伴う場合にはアイシングを行います。痛みが落ち着いてきたらサポーターでも良いですが、1日の終わりにはアイシングをした方が良いでしょう。

ばね指(屈筋腱腱鞘炎)

ばね指

ばね指は、指を曲げる筋肉(屈筋)が腱鞘を通る際に通過障害を起こし、“引っ掛かり感”を伴う弾発現象を起こすものです。痛みを伴えば屈筋腱腱鞘炎、弾発現象を起こせばばね指となります。

【原因】

基本的には腱鞘炎を起こす原因と同じで、使い過ぎやホルモンバランスの乱れが原因だと考えられていますが、明確な機序は未だに明らかとなっておりません。

【症状】

ばね指は、指を曲げたり伸ばしたり動かすことで、弾発現象を起こします。朝方特に症状が強く見られます。中には“引っ掛かり感”ではなく、完全に動かない「ロッキング」を起こす方もいます。親指ではピンと伸びた状態で、人差し指や中指では曲がった状態で固定されることが多いです。当院でロッキングの解除、整復も可能ですが、腱の通過障害が高度な場合には手術が必要な場合もあります。

成人の場合、中年女性に良く起こり、親指・中指が特に多いです。
症状の出始めの時には、指の引っ掛かり感のみで、痛みを感じないこともあります。腫れや圧痛(局所を押しての痛み)はありませんが、手の平側の指の付け根の関節に硬結を触知できます。

【処置の仕方】


こちらも基本的には腱鞘炎と同じく、安静・固定が必要となりますが、それができない場合には、症状の長期化・悪化を起こす可能性があります。

【小児のばね指】

小児のばね指の場合には、多くが1~2歳までに発症します。生まれつき、腱が肥厚していたり、検証が狭いことが原因とされていますが、実際のところ原因はわかっていません。ほとんどは親指に起こりますが、徒手矯正や装具で改善します。中には自然治癒するものもありますが、親指の腱の動きが著しく制限されたものは「強剛母指」と呼ばれます。

最後に

人差し指を立てる男性

いかがでしたでしょうか?

腱鞘炎やばね指は、多くの女性が経験する疾患です。いずれの場合も初期にきちんと安静・固定ができれば、注射や手術をしなくて済みます。

違和感や症状が出始めた際には、お近くの接骨院や整形外科ですぐに診てもらってくださいね(^_-)-☆

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