むくみが改善しないなら、危険な症状かも!?むくみの原因と注意点
女性なら誰しも経験したことがある“むくみ”ですが、アルコールの飲みすぎや立ちっぱなしなどの原因以外にも様々な原因で起こります。
この記事では
・むくみのでき方
・注意すべきむくみ
・むくみの改善方法
について解説していきます。
日ごろからひどいむくみでお悩みの方必見です!
目次
まずは体液について知ろう!
人間の身体を作る水分のことを“体液”と言い、体液は体重の約60%と言われています。50kgの体重の人の30kgはこの体液ということになります。
体液の約3分の2(体重の約40%)は細胞の中に、約3分の1(体重の約20%)は細胞の外にあります。
細胞の外にある体液のうち、さらに体重の約5%は血管内に“血漿(けっしょう)”というかたちで存在し、体重の約15%は細胞の周りに“間質液(かんしつえき)”というかたちで存在しています。
例えば体重50kgの人は、細胞の中に20L、血管内に血漿として2.5L、細胞の周りに間質液として7.5L存在します。
これだけ聞くとかなりの水分が身体の中にあることに気が付きますね!
この体液のうち、むくみのポイントとなるのが血管内の“血漿”と、細胞の周りの“間質液”です。
むくみとは
むくみは別名、浮腫・水腫とも呼ばれます。怪我などで炎症を起こした際に見られる腫れも、炎症性浮腫と呼ばれます。(※炎症で起こる腫れは“腫脹”であり、明確には区別されます)
むくみ(浮腫・水腫)とは、間質液が組織に溜まって腫れた状態の事を言います。
アルコールや塩分の摂り過ぎ、長時間の立ち仕事、ストレスでホルモンや自律神経の異常、急激・過度なダイエットなどが原因で一時的にむくみが起こることがあります。しかしひどいむくみが何日経っても取れなかったり、他に体調の面で気になることがあるのであれば、すぐに病院を受診してください。
むくみのでき方
むくみのでき方は大きく分けて4つあります。
【①血管の透過性がUP】
炎症時の腫れによく見られます。怪我などで炎症を起こした際には、血漿が血管から滲出してしまいます。これを滲出液といい、これが組織に溜まって、炎症時の腫れを起こします。例)炎症、アレルギーetc
【②毛細血管の圧力の上昇】
静脈血が心臓に戻るのが何らかの理由で邪魔され、静脈血が組織や臓器に滞ってしまった状態を“うっ血”と言います。このうっ血により、間質液も組織・臓器に滞り、むくみを引き起こし、最も多い原因です。例)心不全、肝硬変(肝臓手前の静脈である門脈がうっ血→腹水)、妊娠(下大静脈の圧迫)、運動不足、血栓・腫瘍・ガンetc
【③血漿の膠質浸透圧の低下】
水分は濃度の薄い方から高い方へ移動します。この現象を“浸透”といい、この時に生じる圧力を“浸透圧”と言います。例えは悪いですが、ナメクジに塩をかけると、浸透圧によって塩の方にナメクジの水分が移動し、ナメクジが死んでしまいます。この浸透圧が、血漿中のタンパク質(アルブミン)によって起こるものを“膠質浸透圧”と言います。何らかの原因により血漿中のタンパク質の量が減少してしまうと、間質液が血管に戻れなくなり、組織に間質液が貯留します。
原因として以下のものがあります。
・栄養不足(飢餓)、消化器疾患(栄養が消化・吸収されない)
・肝疾患(肝臓では血漿内のタンパク質が作られるが、肝疾患を患うと、血漿タンパク質が作られなくなる)
・腎疾患(身体の外にタンパク質が出ていってしまう)
【④リンパ管の閉塞】
通常、間質液内のタンパク質はリンパ管に吸収されます。しかし、手術後などでリンパがうまく流れなかったり、リンパ管が閉塞してしまうと、間質液中のタンパク質がリンパに吸収されなくなってしまいます。すると、間質液中の膠質浸透圧が高まり、血管内の体液が間質液に引き込まれてしまい、局所のむくみを起こします。原因として以下のものがあります。
・乳がんの手術で腋窩リンパを切除する
・腫瘍による閉塞
・寄生虫がリンパ管に入る(フィラリア症)
注意が必要なむくみ
【①心原性浮腫】
心臓から出る血液量の減少や、静脈のうっ血により全身のむくみが起こります。立った状態では脛(すね)や足の甲のあたりに比較的むくみを起こしやすいです。例)心不全【②腎性浮腫】
腎臓の機能は、必要なものは再吸収して、不要なものを排出する機能です。そのため、腎臓の疾患や様々な疾患に合併して起こる腎臓の障害によって腎臓の機能低下が起こると、全身のむくみが起こってしまいます。腎性浮腫の場合は起床時に瞼(まぶた)に比較的むくみが出やすいです。【③肝性浮腫】
肝臓の疾患によって、肝臓につながる静脈(門脈)がうっ血してしまったり、肝機能の低下によって血漿中のタンパク質が減少し、膠質浸透圧の低下を起こすことでむくみが起こります。【④低栄養性浮腫】
飢餓や癌などで栄養失調になると、血漿中のタンパク質が減少し、膠質浸透圧の低下を起こし、むくみを起こします。【⑤内分泌性浮腫】
ホルモンの異常で組織間にタンパク質が増加し、それにより組織の浸透圧が増加し、むくみを起こします。甲状腺の機能の低下によく見られるこうしたむくみは、指でむくんだ部分を押しても指の圧痕を残さないのが特徴です。むくみの改善方法
単純なむくみの多くの原因は日常生活の過ごし方にあります。そのため、むくみの改善方法は日常生活を健康的で規則正しいものに改めることが必要となります。
などが必要です。また、循環の改善という点では鍼灸もお勧めです。
※違和感や体調の異常を感じるむくみの場合は必ず病院を受診してください。
最後に
いかがでしたでしょうか?
日常生活を改めて、きちんとケアをしてあげればほとんどの単純なむくみは改善します。実際にはそれがわかっていても続かない人が多いように思います。
「たかがむくみ、されどむくみ」です。むくみの症状を起こす注意すべき疾患もあります。何度も言いますが、体調の不良を感じていたり、一向に回復しないひどいむくみの場合は、自己判断せずに必ず病院を受診するようにしてくださいね(^_-)-☆