その腰痛、本当に「ぎっくり腰」ですか?
皆さんは「ぎっくり腰」を経験したことがありますか?
私は一度だけ経験があります。
もうね、歩いても痛いし、座ってもいられないんです( ;∀;)
ですが、「ぎっくり腰」が良くわからずに自己判断をして、一向に痛みが減らないような患者さんもいらっしゃいます。
この記事では
・そもそもぎっくり腰とは
・治療法
・他の腰痛との違い
などについて解説していきます!(^_-)-☆
目次
ぎっくり腰とは
そもそも「ぎっくり腰」とは何なのでしょうか?
この項ではぎっくり腰の病態、原因、治療法について解説していきます。
ぎっくり腰と自己判断して、イメージだけで納得して放置してはいけませんよ!
病態
ぎっくり腰は別名「急性腰痛発作(症)」とも呼ばれ、文字通り、「急性に起きた腰痛」のことです。海外では“魔女の一撃”とも呼ばれ、箒に乗った魔女に後ろから追突されたようなイメージのようです。かなり痛そうですよね・・・。
ぎっくり腰の病態は実は「不明」です。急性に起きた腰痛で、ヘルニア、筋肉の過緊張や疲労、関節の捻挫かもしれませんし、それらが複数同時になっているのかもしれません。いずれにせよ、実際に腰の中で何がどうなって「ぎっくり」を起こしているのかは未だ不明なのです。
原因
ぎっくり腰は極端に重い物を無理をして持ったり、不自然な姿勢をとってなったりもしますが、咳やくしゃみ、歯を磨いた後に口の中をゆすいで出した際になってしまうなんてこともあります。
これがすごく厄介で、ほんの些細な動きで歩けなくなるほど痛めるわけですから、たまったもんじゃありませんよね(´Д⊂
治療
急性腰痛症であるぎっくり腰は、数日から数週間で収まることがほとんどです。しかし、発症は急であっても、収まるのも急とは限りません。
一回のぎっくり腰を起こした際に、その痛みが数週間以上かかる場合や、ぎっくり腰と同時に実は腰椎椎間板ヘルニアを起こしてしまい、そちらの治療を長い期間行うことになる場合もあります。
その場合は、腰椎椎間板ヘルニアの治療に準じます。
ぎっくり腰を起こしてしまった直後は、当院ではコルセットの着用をお勧めしております。
「コルセットを付けて筋肉が衰えるんじゃないか」と思う方もいるかと思いますが、それはコルセットを付けて寝たきりの状態にならなければ、気にする必要はありません。
腰や背中の筋肉は“抗重力筋”と呼ばれ、自動的に重力に逆らって立った姿勢を保つのが仕事です。コルセットを巻いても、それら筋肉の活動が極端に減少することは考えづらいです。
また、必要であれば松葉づえもお貸ししております。
経験をしたことが無い人は「そこまでする必要ある??」と思うかもしれませんが、ひどいぎっくり腰の方は、何かにつかまらないと立つことも歩くことも困難な症状の場合もあります。
痛めた当日は安静を保つことも重要ですが、ベッドで寝たきりで安静を保つよりも、できる限りの日常生活をした方が回復は圧倒的に早いです。
マッサージや湯船につかるというのも、痛みがあまりに強い際はあまりお勧めしません。
というのも、急性で痛みが強く出た場合は基本は安静と固定が大切です。捻った関節をマッサージして余計に悪化させる可能性もあるので注意が必要です。
何度も言いますが、ぎっくり腰はあくまで「急性腰痛」なので、自己判断せずにお近くの接骨院か整形外科に行かれることをお勧めします。
急性の腰の痛みには鍼灸治療もお勧めです!鍼灸の即効性のある鎮痛効果を試してはみませんか?気になる方は下のリンクを参考にしてみてください!
他の腰痛との違い
【椎間板ヘルニア】
腰の骨と骨との間にある軟骨である“椎間板”が何らかの理由で正常な位置から脱出してしまい、神経に何らか炎症を起こし、腰や足に痛みを起こす病態です(坐骨神経痛)。
脱出している椎間板が神経にさわっていなくても坐骨神経痛が出る場合も多く、その理由はいまだ不明です。
【脊柱管狭窄症】
加齢に伴う変形や、手術の後や怪我などで、周囲の組織によって脊柱管が狭くなり、おしりや足に神経症状を起こす病態です。ヘルニアなどの他の腰の疾患と混合して起こることもしばしばです。神経性間欠性跛行といって、歩き続けると足に痛みや痺れが出てきますが、前かがみで休むと痛みが取れるため、休み休み歩くようになります。
【尿路結石】
腎臓や尿管などに主にシュウ酸カルシウムの結石ができ、下腹部や腰背部に痛みを引き起こします。一般的な痛みよりさらに痛い“疝痛”をおこし、痛みのあまりに冷や汗や吐き気を起こす場合もあります。また、血尿が出ることがあります。
【癌の脊椎の転移】
全ての骨腫瘍の中で最も多いです。女性では乳がん、男性では前立腺がん、男女共には肺がんが脊椎に転移して起こります。身体の体勢を変えても楽な姿勢が見つからず、安静を保っても痛みが減ることはありません。がんの症状として、数か月のうちに極端な体重の減少なども起こします。
【圧迫骨折】
高齢の女性が骨粗鬆症などで骨が脆弱になっている際に、しりもちをついて軸圧が加わり、発症することが多いです。主に胸椎と腰椎の間の関節を骨折する場合が多いです。
【脊椎分離すべり症】
五番目の腰椎に良く発生し、腰のお腹側への湾曲が強くなります。腰椎の滑りが大きくなると、背中側から腰椎の滑りが確認できるようになります。腰がずれたような感覚や、痛みを自覚し、片側か両側に神経症状が出ることがあります。
【大動脈瘤/内臓疾患】
大動脈瘤や腎臓・尿管、子宮、膀胱などの内科疾患の痛みが関連痛として腰に痛みが出る場合があります。詳しくは下のリンクを参考にしてください。
最後に
いかがでしたでしょうか?
ぎっくり腰を起こす原因として、個人的には体重の増加や運動不足などもあると思います。
ニクヅキ(月)にカナメ(要)と書いて「腰」と呼びます。まだぎっくり腰になったことがない方は、日ごろから腰をいたわってケアをしてあげてください(^_-)-☆
また、過去にぎっくり腰を経験したことがある方は、いわゆる“前兆”を感じることがあるようです。この前兆を感じたことがある方は、もうすでに腰のどこかを痛めていることが多いので、その場合も専門家に相談することをお勧めします!