ブログ
BLOG

HOME > ブログ > 骨折しないか心配?骨粗鬆症についてわかりやすく解説!

ブログ

骨折しないか心配?骨粗鬆症についてわかりやすく解説!

骨粗鬆症の簡単な説明 イラスト
すでにメディアでも多く取りざたされている骨粗鬆症ですが、実は一言で骨粗鬆症といっても、年齢でなるものもあれば病気が原因でなるものもあります。身近に感じてしまっているからこそ、侮ってしまいがちですが、骨粗鬆症はとても注意すべき骨代謝疾患です。

この記事では
・そもそも骨粗鬆症とは何か
・骨粗鬆症のメカニズム・原因
・骨粗鬆症の分類
・骨粗鬆症の症状
・骨粗鬆症の予防・改善方法
について解説していきます。

高齢者だけが骨粗鬆症になると思ったら大間違いですからね(^_-)-☆

目次

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症 骨 イメージ

骨粗鬆症の定義 “骨折リスクを増すような骨強度上の問題をすでに持っている人に起こる骨格の疾患”2000年 NIH(米国国立衛生研究所) コンセンサス会議

うーん・・・わかりづらい。

簡単に言うと、「骨の強度が低下して、骨折しやすくなった状態」です。

ここで注目していただきたいのが、「高齢者」というワードは出てこないということです。
そうです。骨粗鬆症は高齢者にだけ起きるものではありません。
「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」(一般社団法人骨粗鬆症学会)によると、日本では男性約300万人、女性約980万人の計1280万人が骨粗鬆症だと推定されています。
(個人的にはもっと多いような気もしますが・・・)

では、骨粗鬆症はどのようにして起きるのでしょうか?

骨粗鬆症のメカニズム⑴

骨代謝 イラスト

骨粗鬆症のメカニズムで大事なのが「骨代謝」です。

骨代謝には、骨の建築を行う「骨芽細胞」と、骨の解体を行う「破骨細胞」があります。骨の解体というと聞こえは悪いですが、骨を解体することで血液中のカルシウムが増え、様々なところでカルシウムが利用できるようになります。これを「骨吸収」といいます。

この建築と破壊を繰り返して、骨を新鮮な状態に保ち、脆弱にならないようにすることを「リモデリング」といいます。

この「リモデリング」が何らかの原因で破綻し、骨吸収が骨形成を上回ると、骨量が減少して骨粗鬆症を起こします。

骨粗鬆症のメカニズム⑵

骨粗鬆症 骨代謝 イラスト

リモデリングは破骨細胞が骨吸収(骨を解体)してから骨芽細胞が骨形成をします。これを「骨代謝回転」と呼びます。

この「骨代謝回転」が速いと、骨の解体も建築も早く、「高回転型」と呼びます。いかにも代謝が良いという感じですよね!こちらは比較的早く骨粗鬆症が進みます。
逆に「骨代謝回転」が遅いと、骨の解体も建築も遅く、「低回転型」と呼びます。こちらは代謝が悪そうです。こちらは比較的ゆっくり骨粗鬆症が進みます。

骨粗鬆症は原因によってこの「骨代謝回転」が異なります。
①高回転型骨粗鬆症:骨の解体も形成も早いが、骨の解体の方が勝っている
②低回転型骨粗鬆症:骨の解体も形成も遅いが、骨の形成が不十分で、骨の解体が相対的に高くなってしまう

骨粗鬆症の分類①

高回転型骨粗鬆症

【閉経後骨粗鬆症】


閉経後は女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量が減少します。このエストロゲンは、骨の解体を受け持っている破骨細胞の働きを抑える効果があります。そのため、閉経後には破骨細胞の働きが急速に進み、骨が速い速度で解体されていきます。
これが骨粗鬆症が女性に多い理由で、一番問題となっています。

【副甲状腺機能亢進症による骨粗鬆症】


副甲状腺から分泌されるホルモンである「パラソルモン」は、骨の解体を促します。副甲状腺の腫瘍などでこのパラソルモンの働きが過剰になると、骨が速い速度で解体されていきます。

低回転型骨粗鬆症

【老人性骨粗鬆症】


加齢に伴って代謝が下がり、骨芽細胞の建築が破骨細胞の解体に追い付かず、骨粗鬆症が進みます。高回転型骨粗鬆症の閉経後骨粗鬆症とは異なり、進行はゆっくりです。70歳以上で、特に80歳や90歳にもなると老人性の骨粗鬆症を男女共に起こしている可能性は高いです。

骨粗鬆症の分類②

原発性骨粗鬆症

【閉経後骨粗鬆症】

:上記参照

【老人性骨粗鬆症】

:上記参照

【特発性骨粗鬆症】


・妊娠後骨粗鬆症
妊娠中のカルシウムの利用量増加や、出産後の急激なエストロゲンの分泌減少により起こると考えられています。
・若年性骨粗鬆症
思春期の頃に原因不明で骨粗鬆症を起こします。

「特発性」という名前の通り、原因の解明には至っておりません。

続発性骨粗鬆症

【内分泌性】


・甲状腺機能亢進症 ・副甲状腺機能亢進症 ・性腺機能不全症 ・クッシング症候群

【栄養性】


・吸収不良症候群 ・胃の切除 ・壊血病(ビタミンC欠乏) ・神経性食欲不振症 ・タンパク質不足 ・ビタミンAまたはビタミンD過剰症 ・低BMI ・喫煙 ・アルコール

【薬物性】


・ステロイド薬 ・メトトレキセート(抗がん剤・抗リウマチ薬・妊娠中絶薬) ・ワルファリン ・ヘパリン など

【不動性】


・全身性(安静臥床、対麻痺、宇宙飛行) ・局所性(骨折後)

【先天性】


・骨形成不全症 ・マルファン症候群

【その他】


・関節リウマチ ・糖尿病 ・慢性腎臓病 ・肝疾患 

骨粗鬆症の症状

症状①骨折

骨粗鬆症 骨折 転倒 イラスト

骨粗鬆症によって骨量が少なくなるだけでは無症状ですが、骨粗鬆症ではわずかな力で骨折を起こしてしまいます。

特に多いのは「脊椎の椎体圧迫骨折」で、特に脊椎の胸椎と腰椎の境目で良く発生します。
その他、太ももの骨の「大腿骨頚部骨折」や、「上腕骨頚部骨折」といった関節に近い部位での骨折も起こります。手を衝いてしまった際には、前腕の骨の「橈骨遠位端部骨折」を起こしたり、くしゃみや寝返りで「肋骨骨折」を起こします。骨粗鬆症が高度な場合には、「骨盤骨折」を起こすこともあります。

老人性骨粗鬆症の場合、大腿骨や骨盤の骨折は寝たきりを余儀なくされ、沈下性肺炎を起こしたり。認知症が発症・進行することがあります。また、長期の臥床は筋力が衰え、骨折が治癒しても歩行が困難になることもしばしばです。

腕の部分の骨折であっても、認知症が進行していた場合、固定を維持できずに変形治癒を起こしてしまったり、骨がくっつかずに「偽関節」になることもあります。

内分泌性の骨粗鬆症による骨折は、病気の治療を受けつつ、骨折の治療を行います。

骨折した際に、接骨院か整形外科か迷うところかと思いますが、気になる方は下のリンクを参考にしてください。

また、簡易的な骨折の見分け方も貼っておきますね(^_-)-☆

症状②変形

骨粗鬆症 低身長 イラスト

特に老人性骨粗鬆症では脊椎の後湾を起こし、様々な症状が現れます。

胸椎の後湾が急になると、胸郭がうまく広がらず、肺の低換気を起こしたり、慢性的な逆流性食道炎を起こしたりします。

腰椎の後湾は内臓の圧迫を起こし、内臓の機能が低下することで便秘になるだけでなく、腸内にガスがたまり、鼓腸を起こします。食欲不振や嘔吐を起こす場合もあります。

脊椎の後湾は重心を保つために前傾姿勢となるため、足首や膝、腰などに慢性的な痛みを訴えます。また、転倒の原因にもなり、骨折のリスクも高まります。

閉経後骨粗鬆症は尿路結石を起こすこともあり、安易にカルシウムを摂りすぎると尿路結石を助長してしまうこともありますので、注意が必要です。

骨粗鬆症の予防・改善方法

食事

ミルクのイラスト

【タンパク質】


骨を鉄筋コンクリートだとすると、「鉄筋」の役割をするコラーゲンを作るのに必要です。ご自身の体重と同じグラム量以上を摂りましょう。

【カルシウム】


一日700~800mg以上を摂るようにしましょう。閉経後骨粗鬆症は一日1000mg以上や、老人性骨粗鬆症では一日800mg以上とも言われますが、最低限一日600mg以上は摂れると良いですね!老人性骨粗鬆症の場合は低回転型なので、摂った分だけ全て吸収されるわけではないので、できるだけ多くのカルシウムを摂りましょう。

【ビタミンD】


ビタミンDはカルシウムの吸収に必要不可欠なビタミンです。日光の紫外線が皮膚に当たることでビタミンDは人間の体内でも合成することができます。そのため、成人の場合は食事で一日当たり6㎍ほど取れば十分ですが、近年は紫外線カットの日焼け止めや衣服が多く、ビタミンDが体内で合成されづらい人が多いです(特に女性)。閉経後や高齢者ともなれば、10~20㎍は欲しい所ですし、積極的に「日光浴」をしましょう!一日15分~30分以上の日光浴が有効です。

【ビタミンK】


ビタミンKも大事な栄養素です。骨を鉄筋コンクリートだとすると鉄筋部分はコラーゲンで、コンクリート部分はカルシウムですが、その二つを吸着させるタンパク質をつくるのにビタミンKが必要です。一日300㎍ほど摂れると理想的です。

※インスタント食品は摂らないようにしましょう!
インスタント食品に含まれるリンは腸からのカルシウムの吸収を阻害しますし、塩分は摂りすぎるとカルシウムを尿中に排泄してしまいます。

もちろん、その他カルシウムの吸収を阻害する、酒・たばこ・カフェインの摂りすぎも要注意です。

運動

運動する高齢者 イラスト

宇宙空間で骨粗鬆症が進行するのは、無重力で骨に負荷がかからないためです。
骨はもともと身体を支持する機能のため、骨の発達には負荷が必要不可欠です。

運動することで骨に負荷を加え、骨を成長させるのと同時に筋肉を強化することは大変重要です。筋力を上げることは転倒防止にもなりますし、代謝を上げることは老人性骨粗鬆症のような低回転型骨粗鬆症に特に有効です。

日光浴でビタミンDの体内合成も促進されますので、朝夕2回の30分程度のウオーキングが良いかと思います。よく一日一万歩といいますが、科学的な根拠はありませんので、無理のない範囲で続けましょう(^_-)-☆

楽しさも運動を続けるのに必要ですので、市や町で実施している運動教室や体操教室に行かれるのも有効です。

転倒防止

転ぶ高齢者 イラスト

老人性骨粗鬆症の場合、筋力の低下も伴っていることが多いため、転倒しやすく、骨折のリスクが高いです。転倒しやすい場所として多いのが浴室や階段です。

浴室には手すりや滑り止めのマットを敷くと良いでしょう。
階段にも手すりを付け、足元を照らすような人感センサーを取り付けるのも良いです。階段の縁の部分にも滑り止めを付けましょう。また、いっそのこと部屋を一階に移して生活するのも階段での転倒防止になります。

リビングではカーペットの寄れに足が引っ掛かり転倒することがありますので、カーペットが寄れないように注意が必要です。

外出する際には杖を携帯し、転倒に細心の注意を払います。

最後に

人差し指を立てる男性

いかがでしたでしょうか?

今回は骨粗鬆症について解説しました。

骨粗鬆症は閉経後や老人性、妊娠後に原因不明で起きるものから、様々な病気が原因で起きることもあります。

接骨院では応急的な骨折の処置はできますが、骨粗鬆症自体の診断やお薬の処方はできません。
健康診断を行っている診療所や、病身などでも骨密度検査は行えるので、気になる方は受けておいて損はないと思いますよ(^_-)-☆

SHAREシェアする

ブログ一覧

HOME > ブログ > 骨折しないか心配?骨粗鬆症についてわかりやすく解説!

© 深谷接骨院