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肩こりの原因・予防・セルフケアの方法について【現役柔道整復師が解説】

肩こりを訴える女性

現在ひどい肩こりでお悩みですか?
たかが肩こり、されど肩こりです。単なる肩こりだと思っていても、実は危険な病気が隠れていることもあります。

この記事では、
・そもそも肩こりとは?
・肩こりの原因と種類
・注意すべき肩こり
・肩こりの予防と対策
などについて解説していきます!

目次

そもそも肩こりとは?

疑問に思う女性

肩こりとは病名ではなく、「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼ばれる症状の一つです。首から肩上部、肩甲骨周辺にかけて重だるさ、筋肉のこわばり、張り感、硬結(こり)などを自覚します。

不定愁訴は自覚症状一般をさし、検査などでは明らかにされない症状のことです。何となく体がだるい、頭痛がする、吐き気がある、食欲が出ない、腰が何となく重いなどの症状があっても、血液検査などの詳しい検査でも数値上で異常が見られないものです。

他人が肩上部を触って、「肩が凝っていますねー」というのは少し違います。正しくは、「肩上部に硬結(こり)がありますが、肩こりの自覚症状はありますか?」です。

また、不定愁訴は自律神経の乱れや心理的なものが関係しているとされています。しかし、頭痛や肩こり、吐き気、だるさなどをそうしたものだと決めつけ、安易に放置してはいけません。症状がひどい場合には、自己判断せずにまずは詳しい検査を受けることをお勧めします。

肩こりの原因と分類

パソコン 肩こり 女性

一言で肩こりと言っても、原因別に大きく2つに大別できます。

【➀本態性肩こり】

本態性肩こりとは、検査上、明らかな原因の疾患がない肩こりです。そのうち筋肉疲労による肩こりは、肩こりの原因として最も多いとされています。首や肩上部、肩甲骨周辺の筋肉が頭部や上肢を支え続けた結果生じます。猫背などの不良姿勢や、長時間のパソコン業務、携帯操作などで頭部が前傾し、これを周囲筋群が“引っ張り上げるように”支え続けた結果、血行不良を起こします。また、ストレスなどによる心因的・精神的な要素も関係します。詳しくは次の項で解説します。

【➁症候性の肩こり】

症候性の肩こりは注意が必要です。特に下記のような症状のどれか一つでも現れる場合には、医療機関の受診をお勧めします。

・手が痺れたり、動かしずらい
・楽な姿勢がない
・日に日にどんどん痛くなる
・夜間痛が出る
・運動すると痛む
・胸部や腹部に強い痛みを感じる


肩こりをきたす疾患には下記のようなものがあります。
文章・頚椎症 
・頚髄症 
・後縦靭帯骨化症 
・頸椎椎間板ヘルニア 
・五十肩 
・腱板損傷 
・心疾患 
・胆疾患 
・胸郭出口症候群 
・肺疾患
・甲状腺疾患 
・耳鼻科疾患 
・歯科口腔疾患 
・自律神経失調症
・うつ病などの精神疾患
・婦人科疾患
・etc


上記のように、様々な疾患でも肩こりは起こります。本態性の肩こりはマッサージやストレッチ、適度な運動、温めることで血行不良が改善されると症状も改善します。逆を言えば、それで改善されない場合には、対処法が適切でないか、上記のようなものが原因となっている可能性も否定はできません。

肩こりの増悪因子

デスクワーク 不良姿勢

本態性の肩こりは、極端に言ってしまえば、「筋肉の血行不良」が原因です。筋肉は収縮・弛緩を繰り返し、血行を維持しています。長期間同一姿勢を繰り返せば筋肉は収縮をし続けるので、血行不良を起こすのも当然といえます。

血行は血管の運動も関係しています。血管にも筋肉はあり、それを支配しているのは自律神経のうち、交感神経と呼ばれる神経です。交感神経は血管を収縮させるので、交感神経が優位な状態が続けば、血管自体も収縮しっぱなしで血行不良を起こします。交感神経は、人間が活動しやすくするなるように身体の状態を調整しますが、ストレスなどを長時間受けると、交感神経が優位な状態が続きます。ここでいうストレスとは、心因的な不安や緊張以外にも、寒暖の差や不快な環境、筋肉の過度な緊張や痛みも含めます。つまり、本態性の肩こりはさらなる肩こりを引き起こす悪循環を起こすため、この悪循環を断ち切ることが大切となります。

本態性の肩こりといえど、筋緊張が過度になれば筋緊張性頭痛を起こしたり、自律神経の異常を起こせば更なる肩こりを助長し、吐き気や食欲不振が現れることもあります。頭痛・自律神経の乱れについては過去の記事で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。

肩こりの予防と対策⑴

問診する理学療法士

症候性の肩こりの予防と対策は各疾患に準じます。

本態性の肩こりは何度も言いますが、血行不良が原因です。本態性の肩こりはマッサージやストレッチ、適度な運動、温めることで血行不良が改善されると症状も改善し、予防にもなります。

原因となる筋肉としては、僧帽筋、頭・頚板状筋、斜角筋、肩甲挙筋、大・小菱形筋、棘上筋、棘下筋などです。特に僧帽筋、頭・頚板状筋、斜角筋、肩甲挙筋は硬結(こり)ができやすいです。首・肩関節を動かす上記の筋肉はそのほとんどが肩甲骨に付き、連動して動きます。そのため、“肩甲骨の動き”を日々の生活で意識することが大切です。

肩こりの予防と対策⑵ 肩甲骨の動き

肩甲骨の動き

上の図をご覧ください。意外にも、肩甲骨には多様な動きがあります。読者の皆さんは肩甲骨を自由に動かせますか?

日常生活では、デスクワークやスマホ操作など腕を身体より前に出し、ストレスで肩をすくめた状態でいる機会が多いため、肩甲骨が挙上・外転した状態が多いです。そのため、肩甲骨を内転・下制することを意識した方が良いです。肩甲骨を内転・下制しようとしてみてください。自然と胸を張り、背筋が伸び、猫背の姿勢も改善します。

肩こりの予防と対策⑶ 肩甲骨回し

肩回し運動 女性

複雑で面倒なエクササイズは避けて、なるべくやりやすいものをご紹介します。

上のイラストのように肩に手を置きましょう。肩を内側・外側に大きく回すよくある動きです。「なんだそれか」と思わないでください!ポイントは、先ほどのイラストで示した肩甲骨の矢印の動きを意識して、“肩”よりも上半身全体を使って“肩甲骨”を動かすことを意識して、丁寧にゆっくり最大の可動域で動かしてみてください。これを時間を見つけては常に行うようにしてください。正しく行えば、本態性の肩こりの方は身体が温まり、じわっと汗をかくことでしょう。筋肉の循環が改善した徴候ですので、回数はこれを目安にすると良いでしょう。

最後に

患者を励ます理学療法士

いかがでしたでしょうか?
最後にまとめると、

・肩こりは様々な疾患でも起こる
・注意すべき肩こりもある
・単純な肩こりの原因は血行不良
・肩こりは悪循環して症状は徐々に悪化していく
・環境を見直し、適度な運動をしましょう
・肩甲骨の動きを意識しましょう


どうしても一向に改善しない場合には、当院へご相談ください(^_-)-☆

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