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脚の神経の痛みや痺れでお悩みですか?腰椎椎間板ヘルニアの原因と症状、治療法と再発についてのまとめ

椎間板ヘルニアで腰を押さえる男性

この記事では腰椎椎間板ヘルニアについてまとめております。

・腰椎椎間板ヘルニアとは
・原因や症状
・検査法や診断基準
・治療方法
・再発の危険性

・参考:【PDF】腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)を参考にしております。

腰椎椎間板ヘルニアでお困りの方、病気について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

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目次

腰椎椎間板ヘルニアとは

腰椎椎間板ヘルニアのイラスト

背骨の腰の部分を腰椎と呼びます。それぞれの腰椎の間には椎間板という軟骨があり、これがクッションとしての役割を果たしています。
椎間板は例えるなら目玉焼きのように、外側の白身の部分は「繊維輪」と呼ばれ、中心の黄身の部分にあたるものが「髄核」と呼ばれます。

腰椎椎間板ヘルニアとは、椎間板に圧力がかかることで髄核が飛び出し、神経の圧迫を起こしたものを言います。圧迫した神経によって、その神経の領域(腰や脚)に痛みや痺れを起こします。

腰椎椎間板ヘルニアの原因

重いものを持つ成人男性のイラスト

腰椎椎間板ヘルニアの男女差は2~3:1で、20代から40代の男性に多いです。椎間板に負荷がかかる行為などが原因となり発症すると考えられています。

・重い物や子供を持ち上げる
・怪我  
・車の運転
・スポーツ(ただし、関係性についてはいまだ不明)など


職業別に細かく見ると、特に男性の場合には、運転手、金属・機械業労働者で、ホワイトカラー(デスクワーカー)に比べて発症リスクは約 3 倍も高いです。また、女性の場合は主婦が最もリスクが低く、女性では職業よりも仕事量の多さ等との関連が高かったという研究結果があります。
参考文献: Heliovaara M: Occupation and risk of herniated lumbar intervertebral disc or sciatica leading to hospitalization. J Chron Dis 40: 259-264, 1987.

さらに、いまだ研究段階ではありますがこの疾患の“発症のしやすさ”という点においては、以下のものが考えられています。
・喫煙
・糖尿病
・不安や抑うつなどの精神・社会学的側面
・ストレスが多い
・同一家系でヘルニアの発症がある
・仕事への満足度が低い

腰椎椎間板ヘルニアの症状

脚の痛み、痺れを感じるイラスト

腰椎椎間板ヘルニアでは、ほとんどがベルトを巻くぐらいの高さでヘルニアを起こし、腰やお尻から足にかけての痛みや痺れが現れます。症状は左右どちらか片方に現れることが多いのも特徴です。

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板がどこの高さで神経を圧迫するのかによって、お尻から足にかけての痛み・痺れの場所に違いがあります。ヘルニアを起こし、圧迫を受けている神経に対応する場所に症状が現れます。

腰椎椎間板ヘルニアの経過は、最初は腰の痛みから始めることが多いですが、時間の経過とともにお尻から足にかけての痛み・痺れが出始めます。さらに症状がひどいものでは、知覚の異常(麻痺感、電撃感、灼熱感、冷え感など)、筋力低下が現れることがあります。また、頻尿やおしっこが十分に出せなくなったり、失禁などの膀胱直腸障害が起こることもあります。

しかしながら、腰椎椎間板ヘルニアはその大きさや形、突出の仕方によって症状の程度などと関係性はありますが、必ずしも100%一致するとも言えません。例えば、画像で見ると明らかに椎間板ヘルニアとなっていても、症状が軽い人もいますし、ひどい人もいます。さらに、症状の出方にも個人差があり、急激に現れる場合と、ゆっくり現れる場合があるので注意が必要です。


※年齢が50代以上で両脚に痛みや痺れがある場合などは、「脊柱管狭窄症」の可能性があります。
脊柱管狭窄症:脊髄の通り道である脊柱管が狭くなることで、腰痛や下肢の痛みやしびれなどが現れる病気のこと。

検査法・診断基準

ヘルニアL5のレントゲン画像

画像診断のみで判断をすることはありません。問診による病歴や症状の聴取、実際に身体を動かして痛みや痺れを確認する徒手検査、X線(レントゲン)、CT、MRIなどの画像検査を行い、総合的に判断されます。

近年は下記の診断基準が提唱されています。
①腰・下肢痛を有する(主に片側、ないしは片側優位)
②安静時にも症状を有する
③SLRテストは70°以下陽性(ただし高齢者では絶対条件ではない)
④MRIなど画像所見で椎間板の突出がみられ、脊柱管狭窄症を合併していない
⑤症状と画像所見が一致する
参照:腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会提唱診断基準

治療法

イラスト素材:問診・カウンセリング・説明する医療従事者

腰椎椎間板ヘルニアは、突出の仕方によって差はありますが、およそ80%以上は、時間経過に伴い自然治癒します。そのため、まずは手術以外の保存療法によって治療を行っていくケースが一般的です。

治癒の仕方は、出っ張った椎間板が引っ込むわけではなく、体内に“吸収”されることで改善します。吸収が起こる時期は不明ですが、3か月以内に吸収される例が多く見られます。

治療法は保存療法である①薬物療法②ブロック療法③理学療法④装具療法と、様々な手法がある⑤手術療法が一般的です。
①薬物療法:鎮痛薬や筋弛緩薬、抗うつ薬が一般的
②硬膜外ブロック注射:神経の根っこの部分に局所麻酔薬を注入する方法
③理学療法:ストレッチや筋力強化訓練によって、可動域の改善や安定化の向上を目指す
④装具療法:腰椎コルセット等で患部の安静と負担の軽減を図る方法
⑤手術:保存療法の効果が期待できない場合に行われる。重症度が高い場合や、症状が長期に及んでいる場合には、手術といえど改善が得にくい場合もある

腰椎椎間板ヘルニアのその後と再発について

腰椎椎間板ヘルニアの模型図

腰椎椎間板ヘルニアを患ってしまった多くの方が不安になる事は、「いわゆる“クセ”になるのか?」「再発するのか?」「手術をして元通りになるのか?」などとった点だと思います。

腰椎椎間板ヘルニアが治った後、同じ部位の椎間板が“画像上”再発する割合は、二年間でおよそ4人に1人です。そのうちおよそ2人に1人は無症候性ヘルニアと呼ばれ、自覚症状がないヘルニアです。

腰椎椎間板ヘルニアの再発に対する再手術は、術後一年で0.5~4.0%、二年後で1.6~9.6%、術後5年で1.5~8.5%という研究結果があります。

職業やスポーツへの復帰に関しては、保存療法と手術療法の復帰率に大きな差はないといわれています。さらに、手術後の職場復帰率は術後3か月で44~100%、1年で72~90%、8年で82.5%であり、プロスポーツレベルでのスポーツ復帰は約80%以上といわれています。スポーツや手術の仕方によっても異なりますが、一般的なスポーツ復帰はおよそ2~3か月後が目安となります。

・参考:腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)
・参考:【PDF】腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)

最後に

運動する男女

いかがでしたでしょうか?腰椎椎間板ヘルニアは昔から研究がなされていますが、実はまだ不明な点も多く、未だ研究過程にある疾患です。そのため、画像診断だけではなく総合的な判断が必要とされます。症状の経過や画像診断から判断し、あえて手術を遅らせて保存療法を用いることで、手術を避けることができるかもしれないという期待ができる疾患です。

自然治癒が期待できるとしても、イコールほっとけばよいということではありません。記事内でも書きましたが、重症度が高い場合や症状が長期に及んでいる場合には、手術といえど改善が得にくい場合もあります。必ず自己判断せずに、まずは医療機関の受診をおすすめいたします。

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