ブログ
BLOG

HOME > ブログ > その肘や腕の痛み、「テニス肘」かもしれません!【現役柔道整復師が解説!】

ブログ

その肘や腕の痛み、「テニス肘」かもしれません!【現役柔道整復師が解説!】

肘を押さえる女性

「雑巾を絞ると肘が痛む・・・」
「フライパンを腕が痛くて持てない」
「テニスでバックハンドをすると肘が痛い」

この記事ではそうした肘や腕の症状でお悩みの方に対し、
・テニス肘とは?
・テニスしてなくてもなるの?
・チェックする方法は?
・予防法・対処法はあるの?
などの疑問を解決していきます!

肘や前腕の痛みでお悩みの方必見ですよ(^_-)-☆

参考:(公社)日本整形外科学会「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」

関連記事:スポーツ障害とは

目次

テニス肘とは【原因と症状】

テニス肘

テニス肘は「上腕骨外側上顆炎」による、肘の外側の痛みによる運動障害を総称して呼ばれます。特にテニスプレーヤーに多く見られることから、テニス肘と呼ばれるようになりました。

上のイラストをご覧ください。「上腕骨外側上顆」と呼ばれる場所には、手関節や指を動かす筋肉が数多く付着しています。上腕骨外側上顆に付着する筋肉の働きは、手や指を手の甲側に動かす(伸展/背屈)動作を行います。そのため、手関節や指関節を甲側に動かす動作の多用で、次第に付着部である上腕骨外側上顆や、筋群に痛みを起こします。テニス肘は肘の使い過ぎではなく、むしろ“手の使い過ぎ”が原因ということです。特にイラストにあるような短橈側手根伸筋は、前腕の中でも最も筋力が弱いとされており、使い過ぎや繰り返される衝撃で痛めやすいのです。

上腕骨外側上顆炎(通称:テニス肘)は、日常生活で発症する場合と、運動時(テニスや卓球、バドミントン、ゴルフなど)に発症する場合があります。

【日常生活で発症する場合】

日常生活で発症する場合には、特に40~50代の女性が多いです。この場合は掃除や、料理の際のフライパン操作などで起こり、必ずしも利き手に発症するとは限りません。また、臨床的には労働による使い過ぎが最も多い原因です。日常生活の捜査では、重い荷物を持った際や、ドアノブを回したり、雑巾を絞ったりといった動作時の痛みを訴えることが多いです。

【運動で発症する場合】

運動(テニスや卓球、バドミントン、ゴルフなど)が原因で起こる上腕骨外側上顆炎のうち、特にテニスプレーヤーの起こす上腕骨外側上顆炎は通称「バックハンドテニス肘」とも呼ばれます。バックハンドストロークのインパクトの際に、その衝撃に上腕骨外側上顆に付着する筋肉で対抗しようとした結果、外側上顆部の骨膜の炎症や、その筋肉の微小損傷を起こします。

運動による上腕骨外側上顆炎は、初心者や、フォームの変更、運動量の増加、テニスであればラケットの変更、ハードコートでの練習などの際に発症しやすいです。テニスで上腕骨外側上顆炎を起こした場合には、バックハンドストロークはもちろん、ボレーやサーブ、スマッシュなどインパクト時にも痛みを感じることがあります。

チェック方法

テニス肘 検査法

検査方法としては主に上の3つの方法がよく用いられます。

【①椅子テスト(chair test)】

片手で持てる程度の重さの椅子を、肘を伸ばしたまま、手の甲が上になるように持ち上げます。この際に、肘の外側上顆部に痛みが出たものを検査陽性とします。

【②手関節伸展テスト(Thomsen test)】

肘を伸ばしたまま手の甲が上になるようにし、手関節を手の甲側に上げます(背屈)。それに対して抵抗を加えた際に、外側上顆部に痛みが出たものを検査陽性とします。

【③中指伸展テスト(middle finger extension test)】

肘を伸ばしたまま、中指を伸ばします。それに対して抵抗を加えた際に、外側上顆部に痛みが出たものを検査陽性とします。

特にミドルフィンガ―テストは検査で使う筋肉が少ないため、検査陽性の場合は比較的炎症の度合いは強いことが多いです。

対処法

テニス肘バンド

基本的には保存療法が行われます。発症した直後は、患部の安静とアイシングを行いましょう。運動が原因で炎症が強い場合には、運動は一時中断するのが望ましいです。また、上腕骨外側上顆部への負担を減らすために、上の写真のような、テニス肘バンドなどのサポーターを使用するのも有用です。その他、抗炎症薬を含んだ湿布も痛みを抑えるのには有効です。

痛みが落ち着いてきたら、温熱療法やストレッチ、マッサージを行います。運動を徐々に開始する場合には、運動前のストレッチとウォーミングアップを行い、テニス肘バンドを付けて運動するのが良いです。また、運動後はきちんとアイシングを行いましょう。

また、アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health 通称:NIH)は、鍼治療で効果のある疾患としてテニス肘を挙げております。鍼治療について不安のある方は、下記の記事をご覧ください!(^_-)-☆

※痛みが改善しない場合には、局所のステロイド注射や、場合によっては手術が必要となることもあります。症状の初期であれば比較的早期に改善しますが、自己判断をして放置すると症状が長期に及ぶこともありますので、注意が必要です。

予防

ストレッチ 前腕

日常生活で発症する上腕骨外側上顆炎の予防としては、特に負担がかかることをする場合には、テニス肘バンドを着用し、日ごろのケアとしてストレッチを行いましょう。

運動が原因で発症する上腕骨外側上顆炎の予防は、運動内容の見直しが必須です。日ごろからのストレッチや筋力強化、フォームの確認、アイシングなどの運動後のケアはもちろんですが、運動の内容によっては使う道具の見直しも必要不可欠です。例えばテニスでは、ラケットの中心(スイートスポット)に当たれば肘や筋肉への負担が少なくなるので、比較的面の広いラケットを使うのも一つです。ガットのテンションやその素材については“自分が打ちやすいガットコンディション”で良いです。これについては参考となる記事がありましたので、そちらをご覧ください。

最後に

カウンセリング 女性

いかがでしたでしょうか?テニス肘はテニスをしていなくても、日常生活で比較的高頻度に見られます。最初はただの筋肉痛だと思い放置してしまう方も多いので、“肘の外側が痛いなあ”と感じたら、当院もしくはすぐにお近くの接骨院や整形外科を受診してください!

テニス肘とは逆に、肘の内側にある上腕骨内側上顆炎を起こすものに「野球肘」があります。野球で注意したいスポーツ障害については、過去の記事でご紹介しておりますので、そちらも併せてご覧ください!
また、「腱鞘炎」についても関連記事として併せてご覧ください!

SHAREシェアする

ブログ一覧

HOME > ブログ > その肘や腕の痛み、「テニス肘」かもしれません!【現役柔道整復師が解説!】

© 深谷接骨院