足底腱膜炎完全ガイド 症状・原因・改善方法について解説
足の裏の痛みでお悩みですか?もしかしたらその症状、“足底腱膜炎”かもしれません!
この記事では、
・足底腱膜の概要
・足底腱膜炎の症状
・足底腱膜炎の原因
・足底腱膜炎の改善方法
などについて解説していきます。
近頃当院に多くの足底腱膜炎の方が来院されております。
この記事が足の裏の痛みでお悩みの方の参考になれば幸いです。
目次
足底腱膜炎/足底筋膜炎とは
足底腱膜炎は文字通り、足底の腱膜の炎症です。
後に詳しく解説しますが、足底腱膜炎はランやジャンプなどによって、繰り返し足底腱膜に負担が加わることによって発症します。over use syndorome (使い過ぎ症候群)のひとつで、痛みの部位は踵から土踏まずにかけてのアーチ、いわゆる内側縦アーチに多く存在します。
よく、足底筋膜炎なのか?足底腱膜炎なのか?聞かれることがありますが、基本的には同じです。足底筋膜は足底の筋を覆う筋膜ですが、その中央部が強い繊維でできており、ここの部分を足底腱膜と言います。
足底腱膜の役割
足底腱膜はそのテンションを高めることにより、足のアーチを増加させ、歩行時やジャンプ時の瞬発力や衝撃の吸収、安定性に寄与しています。
ちょうど弓矢の弓の部分が足のアーチで、弦に当たるのが足底腱膜ということになります。
この機能を「トラス機構」とか「ウィンドラス機構」と呼びますが、ここでは割愛します。
足底腱膜の機能や、アーチについては別の記事で解説しておりますので、気になる方はそちらをご覧ください。
・関連記事:足のアーチの乱れが原因で起きるトラブル【まとめ】
原因
足底腱膜炎を起こす方の多くが足部のアーチに異常が見られます。
・偏平足の方
:衝撃吸収機能、荷重の分散機能が低下しているため損傷しやすくなります。・ハイアーチや浮指の方
:足底腱膜のテンションが常に高く、足底腱膜の柔軟性が不足しているために損傷しやすくなります。また、環境要因として以下のようなものがあります。
・練習量の増加や練習内容の変化
・ランやジャンプの増加
・地面の状態
・シューズの変更やシューズの能力
・仕事における長時間の立位作業
その他の要因
・短期間での体重の増加
※足底腱膜炎は一般的に運動量の多い方や中年以降の方に発症しやすいですが、上記に当てはまる点がいくつかある場合、その程度によってはこの限りではありません。
症状
痛みの部位は踵から土踏まずにかけてのアーチ、いわゆる内側縦アーチに多く存在します。足底腱膜は踵から始まり、足の親指から小指に5つに分枝します。そのため、最も負担のかかる部位は踵の足底腱膜付着部になります。このことから足底腱膜の付着する踵の痛みが特に強いです。
また、起床時などの1歩目が“ズキンッ!”と鋭く痛むのも特徴です。歩行やランニング、ジャンプなどの運動時の踵の内側の痛みがメインですが、この痛みは運動を続けると徐々に軽減する傾向があります。稀に土踏まずのあたりに痛みが発生する場合があります。
改善方法
・運動は中止する、あるいは程度・頻度を下げる。
・体重を落とす。
・足底腱膜のストレッチを行い、腱膜を伸ばす。同時にアキレス腱のストレッチも有効。
・椅子に腰かけ、氷を足底で踏み、アイスマッサージを行う。
・足底部にゴルフボールや硬式テニスボールを置き、硬くなった足底腱膜を緩める。(※痛みがレベル3(普段の歩行で痛む)場合、程度を加減してください。もしくは控えてください。)
・浮指や偏平足のある場合は、タオルギャザーを行う。指でゆっくりと掴んで手繰るのがポイント!
・足底部(踵~内側の土踏まず)に衝撃吸収素材の入ったパッドを履く。
インソールよりも靴下タイプのものがおすすめ。
・運動後や一日の終わりはアイシング。
・靴を見直す。
・練習メニューを見直す。
その他:手術療法やステロイド注射等の治療法もあります。
最後に
足底腱膜炎のように疾患名に“炎”が付く症状のほとんどが使い過ぎが原因で起こります。炎症を起こした状態で運動を続けても、悪化する一方であるだけでなく、パフォーマンスも低下します。
身体機能や運動機能は練習によって向上するものではなく、練習の後に十分な休養をとることで身に付きます。痛みは身体の危険信号であり、使い過ぎているサインです。“休むのも練習”ということを知ることが重要です。
足底腱膜炎になったことを残念がらず、今の自分の置かれている状態を見直すきっかけとしてとらえてみてはいかがでしょうか((^_-)-☆
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