あなたの頭痛はどのタイプ?症状別、頭痛の予防と対策について解説。頭痛でお悩みの方必見!
最近は寒暖差が激しかったり、天候が不安定な日が続いていますね。
このような日に現れるのが“頭痛”です。
この記事では、日常生活で頭を悩ませる頭痛について
・頭痛のタイプ
・それぞれの特徴
・タイプ別の予防・セルフケアの方法
について詳しく解説していきます。
日常生活で感じる頭痛は薬による治療も大切ですが、日常生活での予防とセルフケアもとても大切になります。
頭痛でお悩みの方はぜひご覧ください(^^)/
目次
- ○ 頭痛の種類
- ○ 緊張型頭痛 ( 筋緊張型頭痛 / 筋収縮性頭痛 )
- ・原因
- ・症状
- ・検査・診断
- ・治療方法
- ・予防とセルフケアの方法
- ○ 片頭痛
- ・原因
- ・症状
- ・検査・診断
- ・治療方法
- ・予防とセルフケア
- ○ 群発頭痛
- ・原因
- ・症状
- ・検査・診断
- ・治療方法
- ・予防とセルフケア
- ○ 最後に
頭痛の種類
頭痛は大きく2種類に大別されます。
・一次性頭痛
⇒命にかかわらない頭痛で、日常生活で一般的によく起こる頭痛のこと。①緊張型頭痛 ②片頭痛 ③群発頭痛 などがあります。
本記事で解説するのがこの一次性頭痛です。
・二次性頭痛
⇒命にかかわる頭痛で、クモ膜下出血や脳腫瘍などが代表です。※命に関わる頭痛の場合、普段感じることが無いような激しい頭痛に、嘔吐、視力・視覚の異常などを伴います。このような場合は、すぐに救急車を呼んで病院を受診してください。
緊張型頭痛 ( 筋緊張型頭痛 / 筋収縮性頭痛 )
頭痛の患者の7割~8割がこの緊張型頭痛とされ、成人の22%が罹患しています。
原因
①身体的な原因
運動不足や、長時間の同じ姿勢、下を向いてのパソコンや携帯操作、合わない枕の使用、飲酒、眼精疲労などにより、首から肩にかけての筋肉が凝り固まり、血行不良を起こすことが原因で起こります。②精神的な原因
慢性的なストレスや、うつ、睡眠不足などにより筋肉が緊張状態を長時間起こすことが原因で起こります。精神的な緊張が長期間続くと、脳の痛みを調整する部位が異常を起こし、頭痛を引き起こしてしまいます。要は痛みを感じやすくなっている状態とも言えます。
原因は“どちらか”ではなく、“どちらも原因としてありえる”と考えましょう。
症状
頭痛は両側もしくは頭部全体で感じることが多く、圧迫感やしめつけ感がメインです。痛みの程度は鈍く、ズーンと重いような痛みで、片頭痛のようなズキズキと拍動性の痛みではありません。また、我慢できないほど強い痛みではありません。
痛みの症状は個人差があり、短いものは数十分から長いもので数日間持続します。
このほか首肩こりや、めまい感、光や音に過敏になるなどのいずれかの症状を伴うことがあります。片頭痛でみられるようなひどい吐気や嘔吐はほとんどありません。
検査・診断
病院では、二次性頭痛の検査で採血や頭部CT検査、頭部MRI検査や頚椎レントゲンなどの画像検査を行うことがあります。しかしながら、緊張型頭痛自体の検査方法はありません。
二次性頭痛の可能性を考慮し、問診を進めることで判断します。
当院では首や肩の検査や動きの検査を行い、詳しい問診を行います。
二次性頭痛の疑いが少しでもある場合には医科への受診を勧めます。
治療方法
緊張型頭痛の場合は首や肩周辺の筋肉を緩めることが大切です。
そのため、血行不良の改善のための手技療法や温熱療法、鍼灸治療や運動療法なども効果的です。
医科で行う薬物療法では抗不安薬や筋弛緩薬などの鎮痛薬が処方されることがあります。
市販薬ではロキソニンやアセトアミノフェンを含んだものが有効です。
但し、鎮痛剤の飲みすぎで頭痛が起こることもあります(薬物乱用頭痛)ので用法用量には注意が必要です。
また、首や肩の筋緊張を緩めても、一時的に症状が改善するだけで、日常生活で負担がかかれば再び緊張型頭痛を起こす方が大半です。
緊張型頭痛の多くが、不良姿勢など日常生活の中に原因がある為、普段からセルフケアを行うことが最も大切です。
予防とセルフケアの方法
①下を向くなどの不良姿勢をなるべくとらない
②デスクワークなどでは定期的に休息をとる
③自分に合った枕を使用する。低めが良い
④入浴や温タオルで首や肩を温める
⑤適度な運動を行う。水泳がおすすめだが、体操も良い
⑥精神的なストレスの発散をする
⑦酒やタバコは控える
⑧睡眠時間(8時間が望ましい)、睡眠の質を高める
⑨ロキソプロフェンやアセトアミノフェンの市販薬
首肩こりの改善方法や睡眠については下記の記事を参考にしてください(^^)/
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片頭痛
日本人の片頭痛の割合は約8%ですが、内訳は男性よりも女性の方が3~4倍ほど多いです。
これには女性ホルモンの影響があると考えられています。
痛みの程度で男女差はほとんどありませんが、持続時間や頭痛の頻度は女性の方が多いので、女性の方が頭痛による日常生活への支障をきたしやすいといえます。
原因
片頭痛の原因やメカニズムに関しては、残念ながら未だに明らかにされてはいません。
遺伝、アルコールやカフェイン、タバコ、精神的ストレス、気圧の変化、睡眠不足、運動不足、乱れた食生活や生活リズム、ホルモンバランスの乱れなど、実に多くが原因として挙げられます。
原因をどれか一つに特定するのは困難で、おそらく多くの方が複数の原因を持っています。
片頭痛と関係性が高い物質としてセロトニンという物質が挙げられます。
セロトニンは“幸福ホルモン”とも呼ばれており、セロトニンが不足すると痛みを感じやすくなったり、やる気の低下やイライラしやすくなるなど、感情面での影響なども起こります。
セロトニンは運動不足や睡眠不足、日光不足や腸内環境の乱れでも不足するため、これらセロトニン不足の原因を解消した“規則正しい生活”を心がけることが大切となります。
原因物質としてセロトニンを挙げましたが、実際に片頭痛がおこるメカニズムについては1984年にモスコビッツ氏が提唱した「三叉神経血管説」という説が現在でも有力です。
様々な原因・ストレス⇒頭の中の血管を取り巻く三叉神経を刺激
⇒血管が拡がる(腫れる)⇒三叉神経がさらに刺激される(痛み)
心臓の鼓動に合わせてドクン⇒ズキン、ドクン⇒ズキンとなるのは、血管が拡がることで感じているのかもしれません。
症状
心臓の鼓動に合わせて脈打つような頭痛が特徴です。片頭痛は片側に起こることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。頭痛以外にも吐き気や嘔吐、音や光、臭いに過敏になったりすることもあります。
片頭痛の前段階の症状として、「閃輝暗点(せんきあんてん)」を起こす方もいます。閃輝暗点は脳の血管の収縮・拡張によって、視覚に異常を起こす状態です。視覚の異常としてはチカチカ、ゆらゆら、暗くなる、明るくなるなど様々です。
片頭痛の症状は日常生活の動作でも悪化し、発作は4~72時間ほど持続します。
検査・診断
緊張型頭痛と同じく、病院で、二次性頭痛の検査で採血や頭部CT検査、頭部MRI検査や頚椎レントゲンなどの画像検査を行うことがあります。しかしながら、片頭痛自体の検査方法はありません。
二次性頭痛の可能性を考慮し、問診を進めることで判断します。
治療方法
片頭痛については、医科での薬物療法が一般的です。頭痛が起きた際にロキソニンを服用する方が多いですが、ロキソニンが効くのは緊張型頭痛であり、程度が強い片頭痛にはあまり効きません。
片頭痛に効果的な薬として、セロトニン受容体刺激薬「トリプタン製剤」が有効です。
トリプタンの服用のタイミングは、なるべく早期が望ましいとされています。また、片頭痛には合併症として吐き気や嘔吐なども伴うことがある為、吐き気止めも併せて処方されることが多いです。
強い片頭痛を頻繁に起こすような場合には予防療法がありがありますので、お近くの医療機関に相談してみましょう。
予防とセルフケア
①規則正しい生活を心がける
②症状が無ければ、適度な運動を普段から行う。(1日30分程度)
③精神的なストレスの発散をする
④酒やタバコ、チョコレート、チーズなどは控える
⑤睡眠時間(8時間が望ましい)、睡眠の質を高める
⑥強い光や騒音を避ける(サングラスや耳栓の利用)
⑦頭痛時、こめかみを冷やす
⑧頭痛時、少量のカフェインを摂る(コーヒー1杯程度)
⑨頭痛時、入浴、運動は控える
⑩頭痛時、涼しい部屋で横になる
関連記事:カフェインのメリット・デメリット、正しい摂取量や摂取の仕方について解説
群発頭痛
頻度は片頭痛の1/100以下で20~40代の男性に多い頭痛です。群発頭痛を起こす割合が少ないことから、周囲に理解されづらい頭痛です。
症状については後述しますが、群発頭痛は一次性頭痛ではありますが、その痛みは尿路結石、心筋梗塞と並んで世界三大激痛の一つにも数えられるほどです。(諸説あり)
あまりの痛みで、その痛みから解放されたいがために自殺する人がいるほどです。
原因
現在のところ原因は不明です。ストレスやアルコール、タバコ、睡眠不足、男性ホルモンを原因とするという研究もありますが、いまだ明らかになっておりません。
メカニズムとして考えられているのは、片頭痛のように何らかの原因で脳の神経である三叉神経が刺激されて、目の後方を通る内頚動脈が拡張・炎症を起こすためだと考えられています。
症状
群発頭痛の痛みは「目玉をえぐられるような痛み」「目玉をキリで突かれるような痛み」と表現されます。痛みの範囲も、目の周囲に広い範囲で痛むこともあります。発作が出ている間は、あまりの痛みに人格が変わってしまう人もいたり、痛みのために頭を打ちつけてしまう人や、自殺してしまうこともあります。
頭痛以外にも目の充血や涙、鼻水などが止まらないなどの症状が顔の半分にみられます。
症状は1~3時間ほど続き、1~2ヶ月ほど毎日のように繰り返されます。
検査・診断
群発頭痛の痛みは激しく、自己判断は禁物です。二次性頭痛の可能性も考慮に入れ、すぐさま医科を受診し、専門家による診察を受けましょう。
治療方法
薬物療法ではトリプタン製薬剤の皮下注射や、酸素吸入法による高濃度酸素吸入が有効とされています。
群発頭痛は定期的かつ持続的なので、片頭痛のように予防療法を行うこともあります。
予防とセルフケア
群発頭痛の場合はセルフケアよりも予防に重点を置きます。
①規則正しい生活を心がける
②適度な運動を行う。(1日30分程度)
③精神的なストレスの発散をする
④酒やタバコなどは控える
⑤睡眠時間(8時間が望ましい)、睡眠の質を高める
最後に
いかがでしたでしょうか?
緊張型頭痛と片頭痛は似て非なるもので、セルフケアの方法も違います。前者は温め、後者は冷やします。
しかしながら、頭痛でお悩みの方は緊張型頭痛と片頭痛の両方をお持ちの方も多いです。
そうした場合は、自身の頭痛がどれくらいの比重で合併しているかを確かめましょう。例えば、普段は緊張型頭痛を起こすことが多いが、片頭痛は月に一度くらい、という方もいるでしょう。そうすればセルフケアや予防でどのように重きを置くかがわかると思います。
また、普段から適度な運動をすること、アルコールやタバコを控える事、睡眠の質を高める事、規則や正しい生活を送ることはどちらの頭痛であっても大切なことです。
頭痛は普段の生活で変化を起こせば予防・改善することが可能です。薬に頼りっきりになるのではなく、市販薬や医科をうまく活用しつつ、「生活を整え、自分で改善させるんだ」という意識が大切だと思います。
もし頭痛やお身体のことでお悩みの場合は、ぜひ当院にもご相談ください(^^)